新卒採用の意味

いわゆる「ぼくがかんがえたさいきょうのしんそつさいようのいみ」です。

新卒採用とはなんぞや?一般的(Wiki的)には「会社への忠誠心を養う」とか「真っ白だから教育しやすい」とからしいけど崩壊してるよね。



忠誠心はネットにより役員の既得権実態が明らかになった現在じゃほぼなくなった。昔は金持ちの生活ってこうで、きっとスゲー頭いいんだろうなーと想像するしかなかったが今は違う。なんだか俺でもやれそうな事してるのに給与額が違う…そんな金持ちの実態が見える様になったからだ。どうやらそこは「実力主義」じゃないように見える。でも若者は「実力主義」で働いてる…なんかベクトルが違う…なんか公平じゃない気がする…そんな疑心暗鬼の中働くしか無い。それじゃ忠誠心なんて芽生えるわけがない。



じゃぁ「真っ白」がいいかというと求められる能力が相当高度化した現代社会じゃ教育コストは増すばかり。現代社会で求められる能力から判断すれば「真っ白」程迷惑な人材はないよね。教育コスト回収する為の期間が増え続けるから。(真っ白が欲しいなら年齢的にも有利な高校生を取ったほうがマシなんだが…)


なんで未だに「文系理系問わず」なんだろ…こんだけ「大学生の大安売り」状態なのだから「関連知識を蓄えた学生」に絞っても優秀な学生を採用出来る。「知識」が元からあるのだから教育コストの削減にも繋がる。即戦力…とまではいかないけどスグに現場で活躍出来るレベルまで引き上げることが出来る。昔と違って「大安売り市場」なのだから企業はもっと募集要項から絞りゃいいのに…バブル時代の「買い手市場」からこのスタイル変わってないんだよね。アホ臭い


★★★★★★


と言う事で別の理由をさがそう。Wikiは使えん。日本の雇用スタイル「新卒主義」の最大のメリットを見つけ出そう。


雇う側…企業とはなんぞや?つまるとこ「一つの理念」「一つの信念」だ。企業理念にも大なり少なりあるけど一つの信念に共感し、「正しく行動しているな」と感じたら商品を買う、サービスを受け取る。この「企業理念」が絵に描いた餅状態ならば我々はその企業を信頼しないし、商品やサービスを買わない。いわば「企業理念」とは長く続く「不変の価値観」だ。その為多くの企業の企業理念は200〜300年前の人が聞いても喜ぶ様な事が書いてある。「健康維持の為に」「お客様の笑顔の為に」「顧客第一主義」等々…



ところが世の中不変では無いものもある。昔は車はステータスだったのに今や車なんて移動手段…価値観は時代と共に変化するものもある。時代の価値観に乗り遅れたら企業として窮地に立つのは当たり前…この事実を正しく理解する事が企業理念を継続させるには大切なのだ。


「郵便局」もいい企業理念してるよ、ただ「時代の価値観」が変わった事を理解出来なかったから後発の佐川急便に圧倒的な差をつけられた。いつまで郵便局は切手とはがきだけで商売するんだい?佐川急便みたく多種多様なものを郵送出来る仕組みを郵便局は最近までつくらなかった。時代の価値観に取り残されたから今必死に郵便局は生き残る為に国に頼っている。儲かってるゆうちょを抱き抱える仕組みにしようとしている。「時代の価値観」を理解する事を怠った姿が郵便局であり、JALだ。繁栄した企業が没落する現象は「時代の価値観」を正しく認識出来ない背景から来る


不変の価値観は目的であるのに対し、変化する価値観とは手段だと思う。


例えれば1000年前から医者の目的自体は変わらない。人間として健康の価値観は時代問わず不変である。ただ手段はここ数百年、いや数十年で劇的に変わったよね。そんな感じ。企業の不変の価値観を継続させる為には「変化する価値観」を掴まねばならない。変わらぬ目的を達成する為に手段を変え続ける必要がある。


これを達成するには日本の新卒主義は理想的なんだよね。アメリカ見たいな実力主義だと20代〜40代が同じように入ってくる。って事は「時代毎に違う価値観が混合された状態」で入社してくるって事。それでは「変化する価値観」を正しく掴みとる事が出来ない。だからあちらは時々「大量リストラ」&「大量雇用」を実行し価値観の大掃除をしなくてはならない。


だが日本は違う。「20代の価値観しか採用しない」新卒主義がある。「変化する価値観」を正しく掴みとる方法としてこれほど合理的な方針はない。なにせ「変化する価値観」を誰よりも理解しているのは紛れもなく若者だからだ。日本は正しく新卒採用を行えば「大量リストラ」&「大量雇用」なんて必要ない。そんな実績が昭和にはあった。正しく「変化する価値観」を掴みとる合理的システムを採用した昭和時代の日本企業が正に無敵艦隊だったのは当たり前の結果なのだ。



★★★★★★★



じゃあなぜこれが終焉した。理論と現実が異なってきたのはなんでよ。



新卒採用によって昔の価値観を効率的に駆逐するには何よりも「大量雇用」が必要になる。老人10人の価値観を破るには若者15人程のマンパワーが必要だ。老人が常に少数派になる様に若いモノがどんどん入って来れば価値観の代謝は正常に行われる。新卒採用主義の欠点はこれである。新卒採用による「時代の価値観」取得システムを効率的に働かせるには「大量雇用」とセットでなくてはならない。つまりねずみ講…「右肩上がり成長期」でのみ新卒採用主義は最大限の効果を発揮する仕組みである。リストラが機能的に働けば話は変わってくるけど、リストラで駆逐するのは「若者」だから結局価値観の代謝が機能不全に陥る。企業が時代についていけなくなる。





新卒採用主義を企業はこれからも続けたい?


ならば「時代の価値観」を理解出来ぬモノを変わりにリストラさせる必要があるよね。具体的には定年を引き下げる事、年寄りから優先してリストラを進める事…だ


それが出来ないから「変化する価値観」を正しく理解出来ない、郵便局みたいな結末に日本全体が向かってるんじゃなかろうか。





新卒採用の意味をもう一度見つめ直してもらいたい。

あれは元から「全く…最近の若者は…」と言わせてナンボなシステムである。


あなたの会社はそうさせてますか?


大学生の「大安売り」市場から選り好みの「価値観のあった奴」「部下に欲しい奴」のみを採用していたらそれは新卒採用の意味を履き違えていますよ。


つうか企業としての寿命短くしてますよ


変えましょう。
「時代の価値観」を受け入れるために