SNSを使わない「日本式」就職活動ver.2.0

就職活動ver.2.0の続きです。
就職活動ver.2.0 - watakenn3の日記



前回の記事をサラっと説明してしまえば「キャリアを大学在学中でも積めるルート形成」です。まぁどこまでいってもインターンですから使えないと判断したらリストラすれば良いだけです。それでも企業側は「キャリア形成」させる人材を厳選させなければなりません。この不況の時代に余計な人材の教育にお金を割いている余裕はありません。

ここで必要になってくる情報は「詳細な学生情報」です。性格や、癖やら、傾向やら…そういう「テストや偏差値では測れないような情報」です。大学1年をターゲットにするのが就職活動ver.2.0ですから具体的には「高校時代の学生情報」ですね。この情報さえあれば企業側は手痛い失敗をするリスクはグッと少なくなります。失敗するリスクを避けられるどころか逆に優秀な学生を効率よくかき集める事も可能になるでしょう。

それでは現在の新卒採用の様に「詳細な学生情報」を知るために、面接回数を増やせばいいのかといえばそれは効率的ではありません。そもそも何故、面接回数を増やしているのかというと企業側が「学生情報を全く持っていない」為です。大学の特色やら就活全体の傾向やらは持っていると思われますが、「個人の性格」等は全く持っていないと思われます。学生情報が全く分からないから就活生を大量に「青田刈り」してそこから取捨選別する方法しかとれないのです。結果として50倍以上の競争倍率になってしまい、人事はエントリーシートやらWEBテストやらグループワークやら等の工夫をして対処していますが、理想としては「ストレートに優秀な学生だけに出逢えればそれに越したことはない」ですよね。


今後その様な就職活動をする為にも「学生情報を事前に取得する」というのはどの企業でも死活問題になって来るはずです。


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「学生情報を取得する」と言うと「まーたFacebookの宣伝かぁ」「学生はブログかけって?」「Twitter就活」等、ネットサービスを利用した就活方法と思われる方も多いかと思われますが、今回の考察ではそうした事はしません。そうした手段を積極的に利用しているのは特にアメリカだと思いますが、日本とアメリカでは環境が違います。アメリカには全くないサービスが日本では充実しています。全く新しい仕組みを構築するより既存環境を上手く応用した方が効果的だし、今回の提案では海外資本は直接手出しできません。

ITが大嫌いな日本の上司も納得させやすい「昔からある」「極めてアナログな」「直接会って評価された」「質の高い情報を」「土地関係なく」「効果的に」「大量に取得する」方法です。



塾を利用したらどうでしょう?
塾が持つ性格等の「学生情報」を多くの企業が求める形に変換して提供するのです。




塾は「大学受験の為に」「高校受験の為に」という受験目的で利用されます。当然ですが数ヶ月勉強すれば受験に合格する天才ばかりではないので、大半の人は数年単位で塾に通っています。また最近では「個別授業」とか「理解状況に合わせた授業」等、生徒に合わせた授業を実施している塾も珍しくありません。「中学受験から大学受験までお任せを!」という様な塾まであります。



これらの状況が何を意味しているのかと言うと「塾は学生の情報を最も抱えている企業」という事です。教えのプロな為、個人の癖を見抜くのも早いですし、その対処方法というのも熟知しています。多分、高校教師よりも個人の癖や性格を知っています。彼らは面接時間の数千倍の時間を学生と過ごし、能力を的確に評価し、個々の癖に対応しながら「受験を成功に導いてきた」集団です。

また、塾が開校されている土地範囲は想像以上に広いです。「場所が変われば教え方、生徒との関わり方が異なる」というのを防ぐために塾講師側は一定のマニュアルの元、指導しています。つまり「一定の基準が保たれた情報」を期待できます。学生側もふざけて塾に通っている訳ではありません。当然通っている理由は「受験の成功」ですから必死です。全力を出した状態をサンプリングしている訳ですから、参考資料として申し分ありません。アメリカがSNSを活用する際、参考にしているのはLinkedIn等ですが、この情報は「個人が入力している情報」ですからその内容は個人差が激しいです。自分を素晴らしく見せる小手先の技術を駆使して、実際あってみたらガッカリ…な人も多いでしょう。塾を利用した今回の提案では「企業が客観的に評価した情報」になりますから極めて信頼性の高い情報です。企業が必要な能力を元に人材を探す際、とても能率よく人材検索する事が出来ます。


何故、塾なのか?高校ではダメなのか?
高校では校風や地域的偏りというのがどうしても発生します。「一定の基準を保った情報」としては塾の方が上手ではないでしょうか(結構なげやり)。


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アメリカでは塾という概念がないので「SNS就職」という就活模様が発達しました。思考停止して「日本もSNSを利用した就活をするべきだ」というのは余りにも短絡的ですし、日本人のIT嫌いを余りにも考慮していないんじゃないかなぁとも思います。


アメリカの真似事する前に「今あるものを応用」する事を考えたら、日本の「塾」も相当魅力的。
もっとそれぞれの企業が持っている情報特性を活用する事を考えようぜ