輪廻転生

人間は生物ですから、必ず「父と母の間から生まれる」という過程を辿ります。これは生物学上必然の流れであり、例外はありません。生物学上、人には必ず親がいるのです。

人類原初の社会はこの流れを「絶対の真理」として考えた事でしょう。生物学上必然的に発生する発想であり、日常生活に基づく発想だからです。

つまり自分の「一族」が絶対であり「一族の繁栄・維持」が絶対的な目標となります。「一族の繁栄・維持」が絶対ですからこれ以外の目標は設定できません。絶対的な目標が決まっている以上「目的を設定する経験そのものが必要ない」状態とも言えます。



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ところが今から2500年程前画期的な発想が発明されます。それが輪廻転生なのです。これは「前世があって、この世に生まれ、来世に行く」という発想であり、親は特に関係ない…という発想です。

何が画期的かと言えば「一族」という発想から解放された事が画期的なのです。これは「絶対の目標」からの解放であり「目標を自由に設定して良い」という事を意味します。輪廻転生によって目標に多様化が生じたのです。同時に現世に生まれた人は「目標を自由に設定しても良い」訳と考える訳ですから、「目的を設定する経験を積んだ結果」によって必然的に個性を生じます。