炎上の原理

STAP細胞が騒がれて久しい。個人的にはSTAP細胞の存在の有無に興味がない。

興味深いのは周囲の人間(記者等)の余りにもくだらない的はずれな質問と、やたらと「お前も可笑しいと思うよな」という同調を求める会話だ。彼らはスタップサイボウという字面だけを知っており知識もない、何で怒っているかその理由すら曖昧である。その状態でなぜ批判するのか、理由が分からないのに同意を求められても苦笑いしか出来ない。一連のSTAP細胞騒動をみて最も興味深いのがこの点だった。


簡単に言えば

「我々は絶対正義。不義ある者を裁くのは当然」

という思考論理が何処から発生したのかを考えていた。
俗に言う炎上の原理だ。


★★★★

この現象には特徴がある。「歯止め」が無い。

要は、援護する奴が現れない仕組みとなっている。「2位じゃダメなんですか」ならまずこの意見に同意する奴は排除される。排除したら「二位じゃダメなんです」と理論武装して一方的に、集団的に叩くのである。


本来、この現象は伝統的発想としては成立し得ない。「歯止め」が無いという事は誤りがあったとしても修正を加える事が出来ず、間違いを間違いのまま放置するという結果になる。そうなれば現実を直視しないという結果になるが、そうなればこの現象は自然淘汰される筈である。例えば、明日STAP細胞が存在するとあらゆる機関から発表されたら貴方はどうするか、ダンマリを決め込むしかないだろう。これではこの現象は長くは続かない。どこかで「歯止め」を構築し、軌道修正出来る様になる筈である。


「歯止め」の役割として超有名なのが、聖書のサタンである。直訳では悪魔だが、元来は人間の悪を告発する正義の味方だ。簡単に言えば「正義を口にする者の動機は憎悪である」という考え方であり、絶対正義と言う者ほど胡散臭い者はない、注意せよという意味でサタンは悪役となった。絶対正義に対する立派な「歯止め」である。そういえば聖書そのものが一種の「歯止め」である。絶対は神のみであり、人間は須らく相対的であるという理論だから。




★★★★

という事は炎上が起こる日本はサタンが言論を握る国…となってしまう。「炎上」は時を待つしかなす術がない…なるほど、絶対正義の放置、サタンの国である。


問題の焦点は「絶対正義」がいつ日本で当たり前となったか…だ。恐らく最近の出来事だろう。歴史的に思い当たる点としては、幕末からの天皇絶対の信仰だろうか。まぁここは精査してみないと分からないから次回以降に譲るとしよう。



【まとめ】

炎上の原理とは「自分は絶対正しい」というサタンである。
従って、彼らは自分たちが攻撃(非難)される対象だと思っていない。攻撃されると逆に驚くのである。自分は絶対的立場にいると思いこんでいる証だ。そして炎上現象は日本の近代化に伴い発生した。


なにより重大な事は
炎上に対する対抗手段を我々はまだ持っていない事だ。
サタンに怯えるしかないのである。