国が崩壊するという事

ギリシャが崩壊する」という話はまことしやかに言われています。確かにEUは現在経済的危機的な状況に立たされているのは間違いありません。ギリシャは更に経済的に苦しいでしょう。しかし「経済的に崩壊する=国が崩壊する」という命題には無理があります。それを歴史において端的に示すのが第一次世界大戦後のドイツでしょう。彼らはハイパーインフレによって正に「経済的に崩壊」しました。しかしドイツは崩壊していません。現在でもドイツという国は力強く存在しています。「国が崩壊する」とは経済的要素ではないのは明らかです。「国」に必要な要素というのは経済要素ではなく全く別の要素なのです。




国を維持するのにに必要な全く別の要素とは何でしょうか?これを崩されれば「国が崩壊する」と言えそうです。


仮説1  それは人

良く「国家は人なり」と言いますね。確かにA国に住む国民全員が抹殺され、B国民に支配されたらA国は消滅するでしょう。確かにこれは的を得ています。

仮説2  それは人の中

しかし「国民は入れ替わっていないが、国が崩壊する」という事例はあります。代表例はソ連でしょう。「ソ連が崩壊した」というのは紛れも無い事実でしょう。という事は国家の要素とは人ではなく「人の中の何か」なのでしょう。「何か」が消えれば国家も消える。仮説1も成り立ちますね。人がいなくなれば同時に「何か」も消えますから。

仮説3  それは人が大切にしていた「象徴」

崩壊した当時盛んに報道されたのが「スターリン像の崩壊」「ベルリンの壁の崩壊」でしょう。これが「この国家を示す端的な象徴」だったのです。通貨が使えなくなるとか、指導者が変わるとかではなく「象徴」が崩れる事に我々は国家の崩壊を感じたのです。北朝鮮も同様です。彼らにとって金正日体制とは最も象徴とするべきシンボルでしょう。金正日体制が崩壊した時、即ち「金正日一家以外の人間が指導者になった瞬間」「金正日家の過去の栄光が破壊された瞬間」こそが「北朝鮮の崩壊」となる筈です。



あわせて考えれば「国が最も大切にしている象徴が崩壊した時」が「国家の崩壊」だと定義出来ますね。



★★★★★★

これは私達の生活や歴史を見れば明らかですね。
日本が第二次世界大戦で負けた時、アメリカに乞うたのは「円の維持」「大日本帝国憲法の維持」ではなく「天皇制度の維持」です。これについて我々の祖先は断固として維持を求めました。


こういった実態をみると我々がいかに天皇を尊敬しているか分かりますね…というとまた変な気分になるのも事実でしょう。という事は天皇制度は重要な象徴であれ、本質的な象徴ではないということになります。


日本を本格的に崩壊させる為の本質とは一体何なんでしょう。


どうもそれは政府じゃないような気がしますが…



一体何ですかね?